今人気の女性向け将棋

広がりを見せる将棋ブーム

ここ数年、将棋がブームの兆しを見せています。
特に、これまで将棋を趣味としている人は圧倒的に男性に多く、女性は少数派と見られていましたが、その意識が少しずつ変わり始めています。

将棋の女性人気、きっかけは漫画

男性の趣味と見られがちだった将棋の世界に変化をもたらすきっかけとなったのが、漫画「3月のライオン」です。
「はちみつとクローバー」で、ほろ苦く甘酸っぱい若者たちの青春群像劇を描いた人気漫画家、羽海野チカさんが2007年から連載を始めた「3月のライオン」は両親を事故で亡くした孤独な少年:桐山零がプロ棋士として厳しい将棋の世界で戦いながらも少しずつ周りの人と支えあいながら成長していく人間ドラマを描いた作品です。
繊細でやわらかなイラストと心に沁みるストーリーが年齢・性別問わず多くの人から支持を得て数々の漫画賞を受賞しています。
2016年秋にはアニメ化、2017年には実写映画化も決まっており、これからますます将棋への注目が集まりそうです。

また、池沢春人さんにより週間少年ジャンプで連載されている漫画「ものの歩」でも、プロ棋士を目指そうと奮闘する不器用な高校生:高良信歩の成長ストーリーが少年漫画らしく熱い展開で描かれています。
個性的な仲間やライバルの存在、大会での真剣な駆け引きなど、胸を打つ話は女性が読んでもドキドキします。
将棋の監修はプロ棋士の橋本崇載さんが手がけています。
コミック1巻の帯には2015年のNHK杯テレビ将棋トーナメントで、プロのトップ棋士としては異例の二歩(成っていない歩兵を2枚同じ縦の列に配置する禁じ手)で反則負けを喫したことを自らネタにするという、お茶目な一面も見せてくれました。

可愛くて簡単、どうぶつしょうぎはいかが?

将棋はルールが難しそう、というイメージがあるかもしれません。
しかし、女流棋士の北尾まどかさんが考案し、同じく女流棋士の藤田麻衣子さんによってデザインされたミニゲーム「どうぶつしょうぎ」はデザインの可愛らしさやルールのわかりやすさから将棋のルールを知らない子供や女性にも人気です。
3×4の盤面に、ひよこ・きりん・ぞう・ライオンの四種類の駒があり、将棋と同じように2人で対局、交互に駒を指していきます。
実際の盤と駒でテーブルゲームのように遊べるものの他、スマートフォンのアプリもあるため、これから始めてみたいという人でも手軽にチャレンジできます。

プロ棋士のエピソードは見ているだけで面白い!

プロ棋士の中にはユニークな人が多く、その発言や行動にも時折注目が集まります。
将棋界初の7タイトル独占を達成した最強棋士:羽生義治さんは、かつては対局時の寝癖がトレードマークとして有名でした。

史上最年少の14歳でプロ棋士になった加藤一二三さんは丸顔のぽちゃっとした体型の可愛らしいおじいちゃんに見えますが、大の甘い物好きで対局中にバリバリと板チョコレートを数枚まとめて食べたり大量のみかんを食べるなど数々の逸話を残しています。
最近では実力ある若手のイケメン棋士たちも活躍し、注目を集めています。
お気に入りの棋士を見つけてスポーツを見るように将棋を観戦してみてはいかがでしょう?