暑熱順化で暑さに強くなる

暑熱順化とは?

冬の寒さには耐えられるけれど、暑い夏は食欲もなくなり思うように運動もできなくて、ついついだらけてしまうという人は多いのではないでしょうか。
特に新型コロナウイルスの影響を受けて、以前はクーラーの効いた外出先で涼しい時間を過ごすことが多かった人も、自宅にこもっている時間が多くなりました。

しかし、暑いからといってクーラーを効かせ過ぎるのも実は体にも良くありません。
そこで注目したいのが「暑熱順化(しょねつじゅんか)」です。
暑熱順化というのは、暑さに順応できるように体の熱放散機能を向上させる方法です。

暑熱順化を会得できれ、ば皮膚の血流量が増えるので少しぐらいの暑さであれば汗をかかなくても体内の熱を放出できるようになります。
また、短時間で大量の汗がかけるようになるので、その分熱を素早く放出できるというメリットがあります。

それと同時に汗の質も変わるので、ベタベタする嫌な汗をかかなくなるのが暑熱順化の特徴です。
汗がベタベタするということは、体に必要なナトリウムを汗と一緒に体外に捨ててしまっているわけですが、暑熱順化によって汗をかく前にナトリウムを再吸収できるような体質になります。

暑熱順化の方法

暑熱順化は特別な方法というわけではなく、日頃の生活習慣に気をつけることによってすぐにできます。
暑熱順化の基本は、「冷房に頼らない生活する」ということです。
暑いからといってすぐに冷房をつけてしまう環境に慣れていると、汗をかく必要がなくなるため、急に暑い所に行った時にうまく体温調節ができなくなってしまいます。

冷房を全く使わない生活が理想的ですが、いきなり冷房なしの生活をすると熱中症の危険もあります。
ですから、冷房温度の設定を高めにして朝夕は冷房を切り、外気を入れて空気を入れ替えるようにすると良いでしょう。
この操作は真夏に始めるよりも、暑くなり始める初夏から実践しておくことで体が次第に慣れていきます。

入浴も暑熱順化では大切な役割を果たします。
夏は暑いからといってシャワーだけで済ませてしまう人が多いのですが、暑い夏こそしっかりと湯船に浸かり、体を温めて汗を出すことが肝心です。
オフィスの冷房で疲れ切った体も、お風呂に入ることによって回復することができます。
お風呂から上がった後は冷房の効いた部屋に入らずに、うちわなどでゆっくりと火照った体を冷ますと、気化熱で体温が下がって涼しさを感じることができます。

汗をかいて行う有酸素運動も暑熱順化には非常に効果的ですから、運動する習慣のない人はぜひ始めてみることをおすすめします。
ウォーキングやジョギングは誰でも手軽に始められますし、衣服を調節することによってかく汗の量もコントロールすることができるのも有酸素運動のメリットです。